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今年もフルッタ マルトラーナの季節がやってきました

今日、うちの近所を歩いていたら、こんなものを発見。

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そうだー、もうすぐフルッタ マルトラーナの季節だ!

フルッタ マルトラーナはマジパンで色々なフルーツを象った11月2日の死者の日のお菓子。シチリアではこの日、なくなった方々を偲びつつフルッタ マルトラーナを食べるのが習慣。シチリアではこのお菓子を手作りする人もたくさんいて、この時期になると型や色粉など、フルッタ マルトラーナを作るための道具が店先に並び始めます。お菓子屋さんのショーケースにはズラリとフルッタ マルトラーナが並びそれはそれは圧巻。

シチリア伝統菓子には欠かせないこのお菓子、もちろん先日出版した「シチリアの伝統菓子とマンマの手作り菓子」にも載っています。(作り方54~55ページ)

フルッタ マルトラーナは実はとっても時間のかかるお菓子。それは色を付けるのに、滲まないように塗っては乾かし、塗っては乾かし、、、何層にも色を重ねてリアル感を出していくから。撮影ではそんな時間は絶対に取れない!と思った私は、シチリアの家でフルッタ マルトラーナ作りに励み、大切に大切に日本に持っていきました。最後まで仕上げるのにかかったのは3日。時間はかかりますが、出来上がったときの達成感といったら、、、そりゃすごい自己満足(笑)

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かわいいったらありゃしない(笑)
これは実際に本の撮影に使ったフルッタ マルトラーナ。本番はスタイリストさんがとっても可愛くスタイリングしてくださり♪ お気に入りのワンショットです(@54ページ)。

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右の写真はベースのマジパンを作ってまずは型に入れて抜いたところ。

フルッタ マルトラーナは、洋ナシやリンゴなどのように型を使わずに手で形を作っていくものと、バナナ、レモン、イチゴのように型で抜いて作るものの2パターンがあります。型で抜くのは簡単だろう、、、と思うかもしれないのですが、これがまた微妙に難しくって。立体感を出すのに9年前の修行時代、私も一苦労しました。



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色付け最中はこんな感じ。

色粉を水で溶かしながら色を作るのですが、、、これがまた難しい。薄すぎると乾いたときに色が出てこないし、濃すぎるとドギツイ。お店ではいつも色を既に準備していたので、すぐに作り始めることが出来ましたが、家では1色1色準備が必要。すごく時間がかかります。


フルッタ マルトラーナといえば、私がシチリアで習いたいもののかなり上位に食い込んでいたお菓子のひとつ。でも、どこで習おうかな~、、、と思いながらボナユート(@モディカのお菓子屋さん)でチョコレート修行をしている時のこと。シチリアの食の雑誌をパラパラとめくっていた時に見かけたフルッタ マルトラーナ、、、それはすごく美しく上品で優雅。そして本物?と間違うくらいリアル感に溢れ。これだっ!と思ったら一直線。そのページに書いてあったマリア グラマティコというエリチェのお菓子屋さんにすぐに電話。修行をさせてもらえないかどうかを打診してみました。

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マリア グラマティコのフルッタマルトラーナ*アプリコット*


こうして2005~2006年の冬季にマリアグラマティコでフルッタ マルトラーナをはじめ、アーモンド菓子のイロハを学ぶこととなったのです。

初めての事ばかりだったフルッタ マルトラーナ修行はとっても楽しく♪ 私にとってはすごくたくさんの想い出があるお菓子です。今の季節、ショーケースに並ぶフルッタ マルトラーナを眺めてはその時のことを思い出します。

本では家庭でも出来るレシピを載せましたが、残念ながら

「気軽に作ってみてくださいね!」

といえるお菓子ではないことは確か。でもどうやって作っているのか、、、ということはわかっていただけるかと。シチリアを旅すれば一度は必ず見かけるこのお菓子。あ~、こうやって作っているのね~、と本を見ながら謎解き。それもまた楽しいかと♪

銀座、池袋、横浜、、、日本から

「平積みになっていますよ!」

とたくさんのご報告を写真つきでいただいています♪
先週、出版社から配本が始まり、そろそろ全国書店で出揃ってきたようです。書店に行ったら是非お手に取ってみてくださいね!

Amazonはこちらから。

という私のところにはまだ届いていません、、、早く私も出来上がった本を見たいのですが~(笑)届くまで気長に待つとしますか、、、、。
by latavolasiciliana | 2013-10-24 16:09 | シチリアのお菓子 | Comments(0)

イタリアの南に浮かぶ島・シチリア島の西の端っこトラーパニ在住の料理家。シチリアのおうちごはん、お菓子、海、家庭菜園、オリーブ、四季のお花、そしてニャンコ。シチリア美食の旅をコーディネートする「ラ ターボラ シチリアーナ」を運営しています。


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