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トラーパニで一番美味しいクスクス トラパネーゼ

私がトラーパニでいっちばん美味しい、、、と思うクスクス、それはマンマが作るクスクス。

考えてみれば長いこと、このブログでクスクスを取り上げていませんが、トラーパニといえば「クスクス トラパネーゼ」と言われるほどクスクスで知られた街トラーパニ。イタリアの中でも唯一「手作り」のクスクスを食べれるのがトラーパニからマッザーラ デル ヴァッロにかけての西側沿岸。トラーパニのクスクスは箱に入ったクスクスは使いません。粗引きの硬質小麦からまずはクスクスを作る、、、それが「手作り」の意味。(ちなみに箱に入ったクスクスは蒸しあがったものを乾燥させたいわゆるインスタントです。)長い時間蒸して出来上がったクスクスを魚のスープにたっぷりしみこませたもの、それがクスクス トラパネーゼ。文章で書くとなんだか簡単なもののようですが、作って食べるまで3~4時間働きっぱなし、、、と、非常に時間のかかる一品です。

トラーパニではほとんどのトラットリアでクスクスを食べることができます。が、私が一番美味しい!と思うのはマンマが作るクスクス。ひとつひとつの工程を丁寧に作るマンマのクスクス、、、非常に滋味深い美味しさの一皿です。

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クスクスを蒸すのはマンマがお姑さんから引き継いだ、、、というクスクシエラと呼ばれるテラコッタのクスクス専用蒸し鍋。

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下の鍋もテラコッタのものがあったそうですが、それは壊れてしまったそうで。

「今ではみんな、ステンレスの蒸し器を使っているけど、やっぱりテラコッタが一番よ。」

というマンマ。このクスクシエラ、、、壊すのが怖くって、私もほとんど触りません(笑)

4時間かけて出来上がった一皿は、、、本当に地味。

トラーパニで一番美味しいクスクス トラパネーゼ_e0335287_41882.jpg


魚のクスクス、、、なのに、魚がいない(笑)一見美味しそう、、、とも思いがたい一皿ではあるのだけれど、食べてみるとこれが、、、「美味しい」という一言しか出てこない究極の一皿。一度食べたら忘れられない味なのです。たっくさんのレストランでクスクス トラパネーゼを食べましたが、マンマのクスクスより美味しかったお店は未だ現れず。「トラーパニで一番美味しいクスクス」と言っても過言ではないほど美味しいのです。

ラ ターボラ シチリアーナを立ち上げた2006年から今の今まで、一番人気といっても良いかもしれない「マンマのクスクス教室」。今までにどれだけの方がこのクスクスレッスンを受けただろうか、、、。一時は1年で20回以上開催していたマンマのクスクスレッスン。ということは100人を超えたかも?(驚)ここでクスクスレッスンを受けたシェフや料理研究家の方もたくさんいらっしゃいます。そういう方々が現在、日本でクスクスを広めてくれているようで、「クスクス トラパネーゼ」の知名度が少しずつ上がってきたように思われる今日この頃。私が始めた頃には日本ではほぼ知られていませんでしたから(笑)

先日、マンマのクスクス教室を始めた頃から約束していたマファラッダと呼ばれるクスクスを作るための器(一番上)をマンマのプレゼントしました。6年越しの約束を果たしました(笑)

「本当にもらっていいのぉ~!?」

と、とっても喜んでくれたマンマ。いつも美味しいクスクスを作ってくれてありがとう。あなたのその丁寧な作り方にたくさんの方が感銘を受け、レシピだけではない料理に対する姿勢を学んだ、、、と言っています。

始めた当初から8年が経ち、マンマも結構高齢となってきたけれど、彼女が続けてくれる限り続けていこうと思います、マンマのクスクス教室。それは日本から来た皆さんに本当に美味しいクスクスを味わっていただきたいから。そして、マンマの料理教室で「何か」を感じていただけたら嬉しいから。
Commented by ユキキーナ at 2013-08-08 21:53
マンマの魚のクスクス、ほんと美味しかったあ。今思い出してもうっとりよ~。 クスクシエラ、確かに壊したら大変。触れないよね。壊れちゃったらあの美味しいクスクスに二度とありつけないかも。うん、ステンレスじゃやっぱりダメよ。
Commented by accaesse at 2013-08-09 08:44
忘れられないマンマのクスクス!
想像してたよりずっと、澄んだ味のスープにびっくりしました。
一つ一つの手順を手抜きしない結果がこうなるんだと
手抜き三昧主婦は感動しました

チュニジア出身の行商の人とマンマが、クスクスの話をしてたのも懐かしい~^^
元気に続けていってください!
Commented by ひろこ at 2013-08-09 18:16
わたくしも片手の指があまる程度(ちょっとだけ)はトラーパニのクスクスをいただきましたが、マンマのクスクス、これ魚スープかける前ですか? この色、どう考えてもタダモノではないですね。 次回。。。
Commented by latavolasiciliana at 2013-08-13 01:00
★ユキキーナさん>ステンレスと土鍋ってやっぱり熱伝導が違うのよね~。そしてマンマが持っているタイプのクスクシエラってもう売ってないの。今はもっと平べったいのが主流。ほんと貴重品、、、壊したら恐ろしい、、、、(汗)
Commented by latavolasiciliana at 2013-08-13 01:02
★accaesseさん>一つ一つの丁寧な作業が、最後のあの澄んだ味につながるのでしょうね。
大雑把!のように見えるマンマの調理法ですが、ツボは外さず丁寧に。
見習うべき点がたくさんあります。

チュニジアの行商人、、、そうでしたね~♪ 懐かしいですね!
Commented by latavolasiciliana at 2013-08-13 01:02
★ひろこさん>うふふ、、、では来年はクスクスで、、、。オリーブの木、なかなか見に行けないですね(爆)このクスクス、、、本当に味わう価値あり!ですよー。時間はかかりますが(笑)
Commented by 檜森誠太郎 at 2013-08-14 14:48
お久しぶりです!僕もマンマのクスクス大好きです。また食べたいなぁー。優しい味わい、教えていただいて勉強になりました、ありがとうございました!
Commented by Tomo at 2013-08-14 21:49
マンマのクスクスではありませんでしたが、Reiさんに教えていただいたレストランCantina Sicilianaで食べたクスクスがおいしかったのをよく覚えています。Reiさんの本を見てガーナの魚で作ってみたいと思っています。
Commented by latavolasiciliana at 2013-08-16 16:23
★檜森さん>お店の大盛況っぷり、ウワサに聞いていますよ~♪ ちょっとシチリアに、、、も難しいかもしれませんが、またシチリアの風を感じに来てくださいね!
Commented by latavolasiciliana at 2013-08-16 16:23
★Tomoさん>マンマのクスクスはレストランで食べるのとはまた別の美味しさです♪ 本のレシピはマンマのクスクスがベースとなっているので、ぜひお試しくださいませ~!
by latavolasiciliana | 2013-08-08 04:14 | ラ ターボラ シチリアーナ | Comments(10)

イタリアの南に浮かぶ島・シチリア島の西の端っこトラーパニ在住の料理家。シチリアのおうちごはん、お菓子、海、家庭菜園、オリーブ、四季のお花、そしてニャンコ。シチリア美食の旅をコーディネートする「ラ ターボラ シチリアーナ」を運営しています。


by latavolasiciliana
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