2014年 09月 15日
オリーブの実を刺すハエ ~オリーブ農園日記 vol.17~
先週、多くの知人から、
「ハエ、出てるね~、、、」
という話を聞きました。
なんのこっちゃ?という感じですよね(笑)
シチリアの9月、オリーブ栽培は非常に注意が必要な時期。何故なら、針のようなものでオリーブの実に穴をあけちゃう「ハエ」が一番発生しやすい時期だから。
このハエ、7月くらいから出没するのですが、暑い8月はハエにとっても暑すぎるため人間と同じであまり活発に動き回りません。が、9月、、、ちょっと気温が下がってきて、私達も
「あ~すごしやすいな~♪」
なんて思い始めた頃から、ハエも同じ気分になるらしく、、、オリーブに穴を開け始めるわけです。
先々週にチェックしたときには、そんなにハエがたくさんいる感じはしませんでしたが、先週、数人の生産者の方から突然ハエが!という話を聞き、心配になり私達もウチの農園に今日、チェックに行ってきました。
結果は、、、やっぱりハエいるいる!いや、正確には眼で見てハエがいっぱいいるわけではなく、ハエに刺されたオリーブが結構ありました。あ~~~(涙)
ちなみにハエに刺されると、そこから腐ってきて、、、(涙)
今年は冬~春先にかけて例年より雨が多く降りました。湿度が苦手なオリーブ。シチリアではそれによっての被害は大きくはありませんでしたが、中北部のほうではその後も気温が上がらずに湿度だけが高かったため、カビや湿度による病気が蔓延しました。その上、今年は冷夏、そしてシチリアを除いては夏にも大量の雨が降りました。今年はイタリア全土、オリーブ受難の年。シチリアは冷夏と言っても、それなりに気温は上がるし、夏に大量の雨に見舞われることも無く順調、、、?と思っていたのですが、例年9月初~中旬にかけてまとまった雨が降るはずなのに、今年はまだ降らない、、、オリーブは水不足のせいか、まだちょっと小さい感じがします。そして今の時期のハエ(涙)
去年は9月の末にハエが大発生!それに比べれば今年のハエはまだまだ数は少ないのですが、時期は少し早く。
手間ヒマかけて育ててきたオリーブの収穫は年に1回。でも9月に一気にダメになっちゃう、、、なんてこともよくある話。オリーブに限ったことではないですが、自然と対峙する農業は本当に厳しい、と毎年思うのでありました。
シチリアでは今年は生産量が減ることは間違いないだろう、、、と言われています。そして心配なのはその品質。どの生産者も1年間、大切に大切に育ててきたオリーブ達。最後の難関、ハエに負けずに今年も美味しいオリーブオイルが生産されることを祈るばかりです。