フラントイオでオリーブオイルにする2013 ~オリーブ農園日記 vol.13~

1年間、手塩にかけて育て、2日かけて100%手摘みで丁寧に収穫したオリーブ達は「フラントイオ」と呼ばれるオリーブオイル搾油所に持っていきます。

たいていのオリーブ農家は自分の搾油所は持っていません。(数千万の投資が必要ですから・汗)その代わり、地域にひとつは必ず存在するフラントイオ。私達の農園から一番近いフラントイオは農園から約5キロほどのところにあります。半径10キロ地帯の人達はたいていここのフラントイオに持っていきます。それぞれのフラントイオで施設はさまざま。数十年前の古い機械のところから、最新のテクノロジーを駆使しているところまで、、、。

私達は、農園から10キロほど離れたところにあるアルベルトが管理しているフラントイオに持っていきました。

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持っていったオリーブはまず何キロあるのか計られます。今年は145kg。すくなっ!そして、順番待ち。

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収穫最盛期にはここの黒板に名前が入るまでに数時間かかることもあるほどの混み様ですが、まだまだ収穫は始まったばかり。持っていった時間が夕方早い時間だったこともあり、待ち時間はほとんどなくオリーブはオイルとなるべく、、、

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放り込まれた!ザザーーーーー。

さて、ここからはひたすら待ち時間、、、その間、何をしているかというと、、、。

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とある人は井戸端会議。

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とある人は自分のオリーブを心配そうに眺める。

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そしてやっぱり人のオリーブオイルも気になる(笑)

その年の収穫状況の情報交換をしたり、オリーブ栽培について、オリーブオイルについて、知らない人でも「オリーブ」という共通項の元に段々おしゃべりに花が咲いていきます。

それにしてもこの空間、非常に年齢層高い、、、(汗)ちなみに女子は私一人。シチリアの経験豊富なおじいちゃん達がいっぱい。おなかぽっこり、独自のファッション、そしてその立ち振る舞い。見ているだけで相当楽しめるこの空間(笑)

そしてやっぱり気になるのは出てくるオリーブオイル!

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オイルが出てくるところには人が集まります。皆、コメントもなく無言で出てくるオリーブオイルを見つめる、、、ってちょっと怖い瞬間でもあり(汗)

出てくるオリーブオイルは収穫した人によって随分違うんです。私はその横で、何の品種なのか、どこに畑があるのか、どんな状態だったのか、、、などなど、ウルサク付きまとって話を聞きながら最後に、

「試飲してもいい?」

と図々しく聞く(笑)待っている間に私達の前に搾油した3人のおじいちゃんに試飲させて頂きましたが、

「ウチの農園は状態がいいからね!そのために1年、ほんと大変なんだよ。。。」
「庭にあったオリーブの実を収穫してきたんだよ。実は50キロしかないけど、なかなか良さそうなできじゃな。」
「この木は、代々続く樹齢200年の木でね、、、、」

なんて話を聞きながら試飲。
それぞれのオリーブの木にそれぞれの思い出や歴史がある、、、なんて思いながら試飲するのは、いつもの欠陥がどうとか、このオイルは何点だ、、、というテイスティングとはちょっと違う、非常にセンチメンタルな試飲。3人中、一人の方を抜かしてはオリーブオイルは自家消費用。おうちで消費するのに彼らが美味しい!と思えるオリーブオイルであればそれでいいのです。

さて、いよいよ私達の番、、、、っ!ドキドキ、、、、。

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キターーーーっ!

今年もエメラルドに輝くグリーンのジュース、、、、♪ きたきた、、、。最初はチョロチョロ出てくるのですが、あるときからジャーっと勢い良く流れ出てきます。三角の入れ物に溜まったオリーブオイルは自分達で持ってきた保存用のステンレスタンクへ。

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ステキな色、、、って、わが子を愛でる私達(笑)

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試飲用のカップに注ぐとまだ暖かいんです、絞りたてのオリーブオイル。(注・熱いわけではありません)最後の最後までわが子を愛で、、、試飲は必ずフラントイオの外で行います。

145キロのオリーブから絞れたのはたったの22L。ちなみに去年は800キロのオリーブオイルから130Lほどのオリーブオイルが絞れました。その差は歴然。そして、試飲の結果、去年と同じくらい、自分好みのオリーブオイルは出来ませんでした。去年のオリーブオイルはアルベルトいわく、

「品評会に出しても上位クラスに食い込むほどのオリーブオイル」

いやはや。本当に美味しいオイルでした。

今年のオイルは、オリーブの青みはバッチリ出ているのですが辛味に比べて苦味が少ない。いや、もちろん欠陥オイルではないし、普通に市販されているオリーブオイルの品質を考えれば十分美味しいオリーブオイルなのですが、2年目の生意気な新米生産者の私が目指すオリーブオイルには仕上がりませんでした。高い理想を掲げる親を持つ子の苦労、、、と言ったところでしょうか(笑)気温が一気に上昇して思ったよりもオリーブが熟してしまったことが原因かと思われます。ハエ攻撃にあったこともその一因。1年間、大切に手入れをしてきたのに最後の2週間でやられちゃいました(涙)

自然を相手にする農業って本当に難しい!と、2年目にして痛感するのでありました。頭では分かっていることなんですけどね、、、こうして実際に自分で体験してみると、頭をガツンと殴られた気分でして。1年中、手入れをすることの大変さ。自然とじっくり対峙する我慢強さ。毎年、品質の高いオリーブオイルを安定した量造り続けることの難しさ、、、だからこそ面白いのかもしれません。来年は、品質も、量もアップするように、がんばるぞ!と早くも心に誓った私でした。

なんだかんだ言いましたが、、、やはり絞りたてのオリーブオイルはとっても美味しいわけでして♪ ましてや自分達が手塩にかけてきたオリーブちゃん達だし♪ 本来ならこのままタンクでしばらく寝かせてから食すわけですが、絞りたてのオリーブオイルが大好きな私。一足お先に早速瓶につめて持って帰ってきました♪ 明日から色々な料理に使って楽しみます!
Commented by tomomato at 2013-10-21 18:30
奇麗なエメラルドグリーン。 美しいです。  いいな、いいな。
農業は本当に最後までどのような結果になるか分かりませんよね。 商売なさる方はもっともっと大変・・・ 自然とともに身を削るような思いをなさるのでしょうね。

(本、注文しました!)
Commented by latavolasiciliana at 2013-10-21 18:48
★tomomatoさん>1年もかけて丁寧に育ててきたものが、あっ!という間にダメになっちゃう、、、今年は、ブドウ農家も一部で真夏のヒョウにやられてしまったところがあって、本気で嘆いていました(涙)自然相手の仕事は本当に大変ですよね、、、。本、ありがとうございますっ!また感想もお聞かせ下さいね♪
Commented by marcheselli at 2013-10-22 00:06
1年の仕事の結果がこの日に出るのですから、、、しかも自分が努力すれば絶対に良い結果が出るという仕事でないのだから、とっても厳しいお仕事ですね。こういうお仕事をされている方には頭が上がりません!!
Commented by latavolasiciliana at 2013-10-22 20:06
★marcheselliさん>ワインもオリーブオイルも1年かかって大事に育てても自然によって破壊されることもある、、、って無常にも思えます。自然ばかりはどうにもならないですものね、、、。生産者にも色々いますが真摯にものづくりに取り組んでいる方は人間としてとっても信頼が出来る気がするんです。
Commented by オレンジ at 2013-10-26 14:05 x
オリーブオイルの色が、とてもとても美しくてうっとりしました。
オイルの製法には、freddoと caldoの2つの方法があると聞いたことがありますが、ここのフラントイオはどちらの方法ですか?
また、栄養面ではどちらの方法がいいのでしょうか?
Commented by latavolasiciliana at 2013-10-26 15:48
★オレンジさん>本当に自然の色ほど美しい色ってない、、、と思い私もうっとりしました。
ある一定の温度以上に上げずに攪拌作業をして搾油したエキストラバージンオリーブオイルをFreddoと呼びます。オイルは温度が上がると酸化が進むため、Freddoで搾油したほうが栄養面で言えば状態は良いです。が、Freddoで搾油したから100%良いオイルができるわけでもないのも事実。良いオリーブオイルを作るには1年中の手入れをし、搾油する段階でのひとつひとつの丁寧な作業が必要となります。一言では語りきれないオリーブオイル、、、機会があれば年に2回ほど日本で開催しているオリーブオイルセミナーにご参加下さいね!オリーブオイルはとっても奥が深く神秘的な世界です。

ちなみにここのフラントイオはFreddoです。
by latavolasiciliana | 2013-10-21 04:57 | オリーブのお話 | Comments(6)

イタリア人も美食と羨むイタリアの南に浮かぶ島・シチリア島から。トラーパニ在住、「シチリア 食のスペシャリスト REI」が市場、食材、レシピ、オリーブオイル豆知識など、美味しい&幸せな食卓をお届けします!シチリア観光情報もあり☆


by latavolasiciliana