シェリー酒の酒蔵 Bodegas Tradicion(ボデガス トラディシオン)に行く

アンダルシア旅行の大きな目的の一つでもあったシェリー酒の酒蔵訪問。なぜなら、、、シェリーってマルサラとどこがどういう風に違うの?って、ず~っと疑問に思っていたから。

ネットで検索すると色々なシェリー種の知識が出てくるんだけれど、イマイチはっきりしない、、、。もちろんマルサラワインと違う事は分かるし、ソレラ(後程説明あり)で作られることも知っていました。でも、シェリー酒の種類や作り方の違いなどは、釈然とした説明が見つかりませんでした。ならば、いつかシェリーの酒蔵に行ってみたいな~、、、と思いはじめ、8年の時が過ぎ。やっと、現実となったのでしたっ!

前にも書きましたが、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラの街中にはそこらじゅうに(本当にそこらじゅう!)シェリーの酒蔵があります。大きなものから小さなものまで、、、。個人的には小さくて丁寧に作ってる酒蔵に行きたい事を、ホテルのレセプションで相談してみると、

「ならばBotegas Tradicionがいいわよ。予約を取ってあげる。」

という事で、翌日行ってみました。

街はずれにあったこの酒蔵。入口も良くわからず、建物の周りをウロウロしていると、

「オラ~!」

とお声がかかり。

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今日のガイドをつとめてくれるエルリケさんが笑顔でお迎え。
エルリケさん、、、名前からしてスペインっぽくないので、どこの出身か聞いてみると、オーストリアだと。マルサラにもドイツやオーストリアなどからきたガイドさんがたくさんいて。(彼女達、英語、イタリア語、ドイツ語、それプラスもう1か国語くらい操るの普通ですからね、、、。)そんなところまでマルサラに似ている(笑)

ガイドは一応英語でお願いしていたのですが、やっぱり地元の言葉で聞いた方がきっちりとした説明が聞けるよね、、、という事で、C氏に通訳を託し(!)スペイン語でお話を聞くことにしました。(実際、マルサラワインも英語の説明だと結構端折ってたりするものです・汗)

さて、しばしの雑談の後は、いよいよ酒蔵見学へ!

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まずはシェリーの樽、全部黒く塗られています。
これは外から酸素が入ってくる(つまりワインが空気と接触する)のを防ぐためだそうです。樽自体はオークを使っているそうで、下の方にある樽が黒く塗られる前の樽です。

さて、シェリー酒の作り方のお話です。

シェリー酒はマルサラ酒同様、酒精強化ワイン。ブドウを絞ってでてきたジュース(モスト)にモストを蒸留したアルコールを加えて発酵がスタート。Fino(フィノ)と呼ばれるタイプは15%まで酒精強化し、発酵中に表面にできる膜(一種のカビのようなもの、、、と言っていましたが、ばい菌のカビとは違います)の下、空気に触れることなく熟成されます。一方、Oloroso(オロロソ)と呼ばれるタイプは、17%とフィノよりもアルコールを強く強化させ、空気に触れさせながら熟成します。

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シェリーは毎年毎年ワインを注ぎ足していきながら作られます。出荷されるのは一番下の段の「SOLERA(ソレラ)と書かれた樽に入ったもの。そしてその上に積み上げられているCriadera(クリアデラ)と書かれた樽は、ソレラよりも若いワイン。第1、第2、、、、と数が増えるごとにどんどん若くなっていきます。ソレラから出荷された分は、第1クリアデラから補充、第1クリアデラが減った分は第2クリアデラから補充、、、、。

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その後には第3クリアデラ、第4クリアデラ、と続きます。

「ソレラ」という言葉はスペイン語で床という意味の「Suelo(スエロ)」という言葉から来ていて、「床の上にある」という意味だそうです。「クリアデラ」は育てるという意味の「Criar(クリアール)」から来ているそうです。

私達が訪ねた酒蔵では、一番若いシェリーで30年ものとのこと。古くから伝わる樽を大事に大事につぎ足しながら酒蔵を経営しているとのこと。

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上の写真の中央右あたりにある道具、なんだか分かりますか?これ、瓶に詰める道具だそうです。この酒蔵では、瓶詰めも手作業。機械は導入していないらしく。でもいったいどうやってこれで詰めるのよ?と聞きよる私に、C氏からイタリア語で説明が。さすが、ワイン文化で育ったイタリア人。特別ワインを勉強していなくても、知っている事が多い、、、。実際、ここまでのC氏のイタリア語通訳は完璧でした。スペイン語とイタリア語、似ている!ってよく皆さんおっしゃいますが、、、意外と違う言葉も多く、専門的な話になると私はチンプンカンプン?英語で説明を受けるより良くわかりました♪

シェリーの説明は簡単に書きましたが、もっともっと奥深いシェリーの世界、、、。実際に知りたい!という方は、どうぞ酒蔵まで足を運んでみてください(笑)百聞は一見にしかず、、、です。

さて、試飲の前に、、、と通されたのが、この酒蔵オーナーの個人コレクションの間。ミニ美術館でした。

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これ、なんとピカソが8歳の時に描いた作品たちだそうで(汗)
そんなものが酒蔵に、、、。

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素晴らしい作品がたくさん。

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右端、なんとエル・グレコ!ひょ~!
酒蔵と一緒に美術鑑賞が出来るとは思ってもみませんでした(笑)

さてさて、今度こそお楽しみの試飲です♪

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この日に試飲させてもらったのは、30~50年熟成の色々なタイプのシェリー4種と、シェリーを作った樽で作ったブランデー2種。

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ただし、この酒蔵ではFinoは作っていないらしく。最初は膜を張ったまま熟成させ、熟成途中で膜が消えたらそのまま空気と触れて熟成させる、、、というFinoとOlorosoの中間のManzanilla(マンサニーニャ)からスタートしました。olorosoは完全に空気に触れて熟成するのでManzanillaより色が濃く。確かに街中で飲んだFinoはどれも色が薄い黄金色だったのですが、これは空気に触れることなく熟成したからなんですね~。ふむ。

ブランデーは同じアルコールでも、熟成させる樽によって味が変わります。ウィスキーも同様で、マルサラワインの酒蔵にはイギリスとのコラボでマルサラワインが眠っているウィスキー用の樽を良く見かけます。

とにかく、とにかく、、、シェリーってうまい!って思ったのはこの日が初めての出来事。嫌いではありませんでしたが、こんなに美味しく頂いたのは初めてでした。

マルサラワインとの違いはこれでスッキリハッキリわかったわけなのですが、、、。マルサラでは昔ながらの農民ワイン、、、というのがあって。それとシェリーって、、、ほんと似てるわ、、、とこちらもスッキリハッキリわかりました。農民ワインについては、またいつかじっくりと、、、。

日本ではシェリーと英語名で呼ばれていますが、スペイン語では「Vino de Jerez(ヴィノ ディ ヘレス)」。シチリアではシェリーと言っても「は?」と言われることも多く、やはり「ヘレス」が一般的。現在は英語のシェリーですが元々は10世紀前後にこの地方を支配したアラブ人がこの土地に付けた名前「シェリシュ」が英語になったものらしく。マルサラワインの歴史は17世紀以降ですが、シェリーは歴史古きものなのですね~。

ヘレス・デ・ラ・フロンテーラは2泊したものの、半日は旅の疲れを癒すためにゆっくり休んだため、酒蔵巡りは1軒にて終了。次回いく事があったら、今度は違う酒蔵を訪ねてみたいなー。


Bodegas Tradicion
Piazza Cordobeses, 3 Jerez de la Frontera(Cadiz)
http://www.bodegastradicion.es/
Commented by marcheselli at 2013-07-09 16:53
行ってみて、初めて分かる事って沢山あるのでしょうね!!あ~やっぱり自分の足で動いて、感じて、、、。そんな風にしたいです。マルサラでの農民ワインっていうのも興味あります!!
Commented by latavolasiciliana at 2013-07-10 00:28
★marcheselliさん>そうなんですよー。シェリーって今までどうも頭の中ですっきりしなくって。まさに百聞は一見にしかず、、、、自分の目で見ながら、質問しながら説明を聞くと、理解度が全く違いますよね。シェリーに続き、マデラ、ポート、酒精強化ワイン軍のワイナリー巡りを制覇しますっ!
Commented by うらく at 2013-07-12 00:41 x
すべて手作業で作る…きっと作り手の気持ちや愛情がたっぷりですごく美味しいでしょうね。

おばあちゃんやお母さんが握ってくれるおにぎりを思い出してしまいました(笑)
Commented by latavolasiciliana at 2013-07-12 16:36
★うらくさん>手をかけ、時間をかけ作ったものはやはり美味しいんですよね。しっかりと味に出ます。おにぎりも愛情かけてニギニギ、、、やっぱり美味しいですよねっ!
by latavolasiciliana | 2013-07-09 01:02 | 2013夏 アンダルシアへっ! | Comments(4)

イタリア人も美食と羨むイタリアの南に浮かぶ島・シチリア島から。トラーパニ在住、「シチリア 食のスペシャリスト REI」が市場、食材、レシピ、オリーブオイル豆知識など、美味しい&幸せな食卓をお届けします!シチリア観光情報もあり☆


by latavolasiciliana